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「ご厚誼」シーン別正しい使い方は?実際に使える例文類語も紹介

2020/03/18

『ご厚誼』は、普段あまり目にする言葉ではないため、読み方や意味が分からないという人も多いでしょう。とても丁寧な敬語表現であり、正しい使用法を理解すれば周囲に好印象を与えられます。意味や使い方、類語などを紹介します。

ご厚誼の意味とは?

ご厚誼とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。読み方も併せて詳しく解説します。

親しい間柄・親しみの気持ちなど

厚誼は『こうぎ』と読みます。訓読みで『あつい』と読む『厚』と、同じく訓読みで『よしみ』と読む『誼』を組み合わせた言葉です。 

「ぶあつい本」「あつみのある板」など、両面の内側の幅が大きいという意味で使われることが多い厚は、厚誼では「心入れや情が大きい」という意味を持っています。 

また、誼は「情愛が込められた親しい仲」という意味を持つ語であり、厚誼においても同じ意味で使われています。 

したがって、厚誼は「極めて親しい間柄」「深い情が込もった気持ち」という意味を持ち、単に親しいだけの関係を超えた心のつながりを表現する言葉です。 実際に使われる場合は、尊敬の接頭語『ご』を付けてご厚誼とするのが一般的です。

ご厚誼の使い方

日常生活では馴染みが薄いうえ、使用できる相手や場面もある程度限られます。

ご厚誼を使うべき相手や、よく使われるシーンを理解しておきましょう。

取引先や目上の人に対して

ご厚誼は、上司・役職者・恩師など目上の人や、顧客・取引先などに対して使う言葉です。同等の立場や目下の相手には使用できません。 

尊敬の接頭語として『ご』が付け足されていることからも、相手の気持ちを敬う言葉であることが理解できるでしょう。目上の人や取引先などに親しくしてもらったり、お世話をしてもらったりする状態を表します。 

つまり、自分から発せられる気持ちではなく、相手から受け取る気持ちというニュアンスを含んだ言葉として使われます。 ご厚誼は、普段からお世話になっていることに対する感謝の気持ちを示す表現です。

いつも仲良くさせてもらっていることに、親しみを込めて使う表現とは異なる点に気をつけましょう。

ご厚誼を使うシーン

ご厚誼は、新年の挨拶や、重要な行事・儀式などの挨拶によく使われる言葉です。仕事上でのやり取りや挨拶でもよく使用されます。

 例えば、文書であれば、年賀状・喪中の挨拶文や、各種ビジネス文書での挨拶・結びの言葉などで多く見られます。

口語では、結婚式・葬式などの冠婚葬祭や、記念式典などフォーマルな場でのスピーチにも頻繁に登場する言葉です。 どのようなシーンにおいても、自分より立場が上の人や、敬意を示すべき企業・団体といった組織に対して使われます。

ご厚誼の例文

さまざまな場面で使用されるご厚誼の例文を、主な言い回し別に紹介します。

併せて使われる敬語や言い回しもセットで覚えてしまいましょう。

ご厚誼を賜りますよう

「ご厚誼を賜(たまわ)る」とは、「これからも目をかけてほしい」「今後も格別の待遇を受け続けたい」と願う気持ちを伝える際に用いる、形式ばった丁寧な表現です。 

『賜る』は『もらう』の謙譲語であり、目上の人から何かをもらったり恩恵を受けたりすることを意味します。 

例文のように、ビジネスシーンにおける昇進・受賞・退職の挨拶や年始の挨拶など、多くのかしこまった場面で使用できる表現です。

▼使い方の例

・長きにわたり格別のご指導を頂戴しております。どうか今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 

・来年も倍旧のご指導ご厚誼を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。 

ご厚誼にあずかり

『ご(お)~にあずかる』という言葉は、付け足し型の謙譲語とよばれ、自分をへりくだりながら相手に最大限の敬意を払う表現です。 

いつもお世話になっていることに敬意を示しつつ、お礼の意味も込められた定型フレーズとして使用されます。 

以下例文のように、相手に対するお礼の言葉を続けるのが一般的です。

▼使い方の例

・日頃より格別のご厚誼にあずかり、厚く御礼申し上げます。

・ 昨年中は皆様よりひとかたならぬご厚誼にあずかり、誠にありがとうございます。 

また、告別式での遺族挨拶では、次のような言い回しで使われます。

▼使い方の例

・生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、本日も多くの方々にご参列いただきまして、故人もさぞ皆様のご厚情に感謝していることと存じます。 

ご厚誼のほど

『~のほど』という敬語表現は、立場が上の相手に対してお願いしたいことを、柔らかく丁寧に伝える言い回しです。 

断定的に言い切る命令口調のような表現を避ける効果があります。「~を」と同じ意味で使用可能です。 

下の例文のように「お願いします」といったような言葉が続く決まり文句として、ビジネスや冠婚葬祭などのかしこまったシーンでよく使われます。

▼使い方の例

・本年もこれまで変わらぬご厚誼のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 

・旧年中に頂戴したご厚情に感謝いたしますとともに、今後とも変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。 

ご交誼との違いは?

ご厚誼と同じ読み方の言葉である『ご交誼』も、堅い文章でよく用いられます。

意味や使う相手がご厚誼とは異なるため、正しく理解することが重要です。

ご交誼の意味

『交誼』は、友好な関係を表す語として『交』が使われています。厚誼で示される情に満ちた関係に対し、心が通い合った親しい間柄である様子を意味する言葉です。 

一般的には、尊敬の接頭語『ご』を付けてご交誼とし、相手に敬意を表する丁寧な言葉として使われます。相手と対等な関係を結ぶことを示す言葉であり、「気心の知れた関係」「友人同士としての親しい付き合い」を意味します。 

相手から目をかけられたりお世話になったりする関係である厚誼とは、言葉の意味に含まれるニュアンスが異なるため、使い分けに注意が必要です。 

「親しきなかにも礼儀あり」があてはまるような場面でふさわしい言葉だと考えれば、より分かりやすいでしょう。

同僚や友人に使う言葉

ご厚誼が取引先や目上の人に対して使う言葉であるのに対し、ご交誼は同僚や友人など、自分と対等な立場にある人に対して使う言葉です。そのため、自分よりも立場が上の人に対して使ってしまうと失礼にあたります。 

文書で書く場合は漢字の使い分けに注意しましょう。上下関係のない相手にしか使えない言葉であるため、ビジネスシーンでも取引先や顧客などに対しては使えません。 

ただし、取引先にあたる会社で働いている、個人的に親しい関係の人に対しては使えます。ご交誼を使う場合は、相手にとって自分はどのような立場に見られているのかを考慮することも大事です。

ご交誼の例文も

ご交誼は個人に向けた文書でよく使われます。中でも年賀状や喪中葉書の文中で使用することが多い表現です。 年賀状と喪中葉書でよく使われる言い回しを、それぞれ下に紹介します。

ご厚誼と似た意味であるため、言い回しもご厚誼を使ったフレーズと似たものがほとんどです。

▼使い方の例

・旧年中はひとかたならぬご交誼をいただき誠にありがとうございました。本年も何卒よろしくお願いいたします。 

・新年のご挨拶を申し上げるべきところではございますが、亡き○○の喪中につき失礼させていただきます。本年中に賜りましたご好誼に深謝いたしますとともに、明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。 

ご厚誼の類語を紹介

ご厚誼と間違えやすい類語をいくつか紹介します。

読み方や意味が似ているものは、違いをしっかりと確認しましょう。

ご厚意

『ご厚意(こうい)』は、心遣いや思いやりを丁寧に表現する言葉です。 同じ読みの『ご好意』が、相手からの好感や親切心を指す言葉であるのに対し、ご厚意は相手からの情けや温情に重点をおいた言葉です。 

目上の人にも使え、似た意味であるご厚誼との言い換えがしやすく、ご厚誼よりも一般的な言葉であるため口頭での表現にも適しています。

例文は以下の通りです。

▼使い方の例

・皆様からのご厚意に甘えて、しばらくの間は休養に専念させていただきます。 

・長い間ご協力いただき大変ありがたいのですが、過分なご厚意をいつまでも受け続けるわけにはまいりません。 

ご恩情

『ご恩情(おんじょう)』は、相手から受ける慈悲や情けの心を意味する敬語表現です。 

『恩』という言葉が使われていることからも分かるように、相手に対しありがたく感じているという気持ちが重視されています。主に師弟関係や父母に対して使われる言葉です。 

一方、同じ読み方の『ご温情』は、言葉自体が持つ意味はほぼ同じですが、恩を感じるというニュアンスは弱くなります。主に目上の人に対して使用する表現です。 

ご恩情を使った例文は以下のようなものが挙げられます。

▼使い方の例

・今日までいただいたご恩情に感謝し、お礼の言葉とさせていただきます。 

・先生には言葉で言い表せないほど深厚なるご恩情を頂戴し、衷心より御礼申し上げます。 

ご高配

『ご高配(こうはい)』は、相手の好意に感謝する敬語表現です。 似た意味の『ご配慮』という言葉が上下関係なく使えるのに対し、ご高配はより高い配慮に感謝するという意味であるため、目上の人に対して使います。 

意味や使う相手がご厚誼と非常によく似ていることから、ご厚誼の例文中でそのまま入れ替えても違和感なく使えます。ただし、ご厚誼以上に堅い印象を与えがちです。 

以下のような格式ばった挨拶で使用しましょう。

▼使い方の例

・弊社の事業に対し平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

・ この度の身に余るご高配に感謝いたします。(昇給・昇進時) 

ご愛顧

『ご愛顧(あいこ)』は、商売をしている人などが、自分を引き立てひいきしてくれることに対し、お礼の意味を込めて使う敬語です。 

以下例文のように、商品やサービスの提供に対し、お金を使ってくれるお客様によく使われます。

▼使い方の例

・日ごろのご愛顧に感謝いたしまして、当店では来週月曜日から10日間、特売セールを実施いたします。 

・本店は明日をもちまして閉店させていただきます。長らくご愛顧いただき、誠にありがとうございました。 

まとめ

ご厚誼は、取引先や目上の人に対し、日頃からお世話になっていることに対する感謝の気持ちを表すような場面で使われる言葉です。 

年賀状・冠婚葬祭・ビジネスシーンなどの挨拶でよく用いられます。類語も多いため、意味や使い方をしっかりと理解し、正しく使い分けましょう。

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