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知らないと危険! 早期発見が重要な「子宮の病気」

2018/11/19

ニュースや映画、ドラマなどで取り上げられるたび、不安に襲われる、“病の可能性”。
しかし体力のある20〜30代は、どこか他人事のように感じてしまうもの。働き盛り、遊び盛りと多忙な日々に追われるなか、「疲れているだけ」と身体の不調を見過ごしている人も多いのでは?

晩産化、夜型の生活、ストレス過多という女性のライフスタイルの変化に伴い、近年増加の一途を辿っている婦人科系の病気。なかでも子宮の病気は多く、病気の種類によっては命に関わるものから、不妊・流産を招くものも。

早期発見をするためには、正しい知識&日々のセルフチェックがマスト。とくに気をつけるべき病気の種類から原因、症状などを、日本産科婦人科学会専門医の丸田佳奈先生が解説!

・婦人科系の癌検診は定期的に!若年者ではとくに子宮頸癌に注意して

今や日本人のふたりにひとりが経験するという“癌”。かつては中高年の病気という認識があった病気が、近年では若年層にとっても身近な存在に。

「現在、日本で増加しつつある婦人科系の癌が、乳癌、子宮体癌、卵巣癌、子宮頸癌。なかでも20〜30代の女性が最も気をつけるべき癌が、子宮頸癌です。

子宮頸癌は30-40代が好発年齢とされておりますが、近年20-30代の、若年者に急増しており注目されています。初期症状がない事が特徴で、進行すると不正出血や下腹部痛を起こします。子宮頸部を覆う上皮内に現れる細胞の悪性化を早期に発見することができれば、子宮の温存も可能な治療法が選択できることが多いので定期的にチェックすることをおすすめします」

「また子宮癌の30%という高い割合を占めているのが、体癌。好発年齢は頸癌に比べてやや高齢で、50〜60代。しかし10年間で罹患率は2倍以上となっており、若年層で発症する方もいます。40歳以上では、婦人科系のチェックを行う際に、一緒に検査しておくと安心です」

「子宮ではありませんが、若い女性に気をつけてほしいのが乳癌。罹患者数は20年間で2倍以上に増えており、体癌と同じく、急激に増加しています。
乳癌罹患は40代に、死亡は50代にピークを持つという特徴があり、壮年層の部位別癌死亡率では今やトップに。乳癌の主な症状は乳房のしこりですが、しこりの小さなものや、しこりをつくらないタイプの乳癌もあります。
自分で定期的に触診するだけでなく、マンモグラフィーや超音波検診を積極的に受けて、早期発見を目指しましょう」

子宮筋腫が、不妊の原因になっているかも?

さらに女性のライフステージで重要なのが子宮筋腫や子宮内膜症。良性の病気で命に関わることはないものの、進行する様々な症状が現れたり、不妊や流産の原因になることも。

「子宮筋腫は子宮の平滑筋から発生する良性の腫瘍で、小さなものを含めると、30歳以上の女性の20〜30%が持っていると言われます。

悪性ではないので手術の急は要しませんが、進行するにつれて月経過多による貧血や腹痛、筋腫の場所によっては不妊や流産など様々な不調を生じます」

「子宮筋腫は複数できることも珍しくなく、大きさは人によって異なります。種類は3つ。

①子宮の内側にできるものを“粘膜下筋腫”
②子宮の筋肉の中にできるものを“筋層内筋腫”
③子宮の外側にできるものを“漿膜下筋腫”

主な症状は、月経量の増加と、ひどい月経痛。そのほかには不正出血、腰痛、糖尿など。
それぞれできる場所によって症状が異なります。
粘膜下筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなることが多いです。逆に漿膜下筋腫は大きくなっても症状が出にくい傾向があります」

「筋腫が小さく、症状が出ていない場合、治療や手術の必要はありません。ただし不妊に悩んでいたり、将来的に出産を考えているならば、婦人科で相談してみましょう。
筋腫だけを摘出する子宮筋腫核出術、筋腫を小さくする薬など、様々な選択肢があるので、今後のライフプランに合わせて選ぶことをおすすめします」

月経がひどくなったらS.O.Sのサイン!

「子宮内膜症とは、“子宮内膜”が、卵巣や腹膜など、本来あるべき場所とは違う場所で発生し発育してしまう病気。

本来子宮内膜は、月経血として生理の際に体から排出されます。しかし子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は排出されず、お腹の中にとどまってしまい、炎症や癒着を起こし、ときに激しい痛みを引き起こします」

「はっきりとした原因は明らかになっていないものの、ひとつは女性のライフスタイルの変化による月経回数の増加と言われています。初経年齢が早くなったこと、晩婚・晩産化が進んだことで、発症する人の数は増加している。
良性の病気なので死に至ることはありませんが、悪化すると、不妊症を招いてしまうことも。早期発見が重要です」

「子宮内膜症の自覚症状として最も顕著なのが、過度の月経痛。
以下の項目に該当する人は、なるべく早めに婦人科を受診しましょう。以下の項目に該当する人は、なるべく早めに婦人科を受診しましょう。

・回数を重ねるたびに痛みを増す
・鎮痛剤が効かないほど痛み、寝込んでしまう
・進行に伴い腰痛や下腹部痛

月経の回数を重ねるたびに痛みを増すのが特徴で、鎮痛剤が効かないほどに痛み、寝込んでしまう人も。また進行に伴い腰痛や下腹部痛、排便痛や性交時の痛みなどがみられます。以前よりも月経がつらい、と感じたら、なるべく早めに婦人科を受診しましょう」

どの病気にも共通するのが、早期発見の大切さ。手遅れになる前に、早めの検査・治療を心がけたい。

PROFILE:丸田佳奈

日本産科婦人科学会専門医。学生時代にダイエットが原因で生理不順に。治療のため産婦人科に通院した経験から、産婦人科医を志す。情報番組からバラエティ番組、雑誌など、様々な媒体で活躍中。著書に『間違いだらけの産活』(学研パブリッシング)、『キレイの秘訣は女性ホルモン-女医・丸田佳奈が答える47の悩み相談』(小学館)などがある。

Illustration:Youmi Chen Photo : Yuki Kato Editor:Ayano Nakanishi

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