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『労う』言葉を活用して人間関係を円滑に。職場で役立つフレーズ集

2020/03/25

労う言葉には、仕事と人間関係を円滑にする力を秘めています。『労わる』との違いや使い方を心得て、印象を格上げしましょう。上司・同僚・部下・社外の人など、相手の立場に合わせて言葉を使い分けるのが肝心です。

『労う』の意味と読み方

『労う』の意味は『労』の字ができた成り立ちを知ると、理解しやすくなります。相手を労うことで生まれる嬉しい効果もあります。

正しい意味と労うことの大切さを知って、コミュニケーションに生かしましょう。

読み方・意味

『労う』の読み方は『ねぎらう』で、尽力に対する感謝を表す言葉です。苦労した相手を気遣う言葉である『慰労する』『慰問する』といったニュアンスもあります。

骨を折って働く・心身を使って働くといった、重労働を表す『労』の字が使われているように、労う対象は労働などで『苦労』をした人です。

労の旧字は『勞』で、たいまつを組み合わせた『かがり火』が燃え上がるように力を使って『疲れる』ことと、疲れを労うことの両方が表されています。

相手を労う言葉の効果

労いの言葉には、人の心を動かす力が秘められています。

仕事などで思うようにいかず「周りに迷惑をかけてしまった…」と落ち込んでいるときに「あなたがいたから乗り切れました」などの労いの言葉をかけられると、心が救われることもあるでしょう。

労いの言葉は、やる気のスイッチを押すことにもつながります。どんなに成果を出している人でも、注意されるばかりではモチベーションは保てません。

  • 今回は、苦心の跡がうかがえる内容でした。製品の改良にも大いに生かせると思います。お疲れさまでした。

努力や苦労を認められると気持ちが前向きになり、より一層がんばれる人もいます。

『労わる(いたわる)』との違い

『労う(ねぎらう)』と似た言葉に『労(いた)わる』があります。正しくは『労る』ですが、労うと読み間違わないように、労わると表記されることが少なくありません。

労うと労わるの違いを知って、適切に使い分けましょう。

体や物を大切に扱うこと

労うときの対象は人に限定されるのに対して、労わるは人にも物にも使用できる言葉です。

  • ○夫はクラシカルな愛車を労わりながら乗り続けています。
  • ×夫はクラシカルな愛車を労いながら乗り続けています。

物に対して使用すると、大事に使っている様子が思い浮びます。ただ、毎回言葉にして労いの言葉をかけたり、行動をしたりする人は少ないでしょう。物には労わるを使うのがベターです。

  • ○妻は就職活動に励む子どもを労わって(労って)、栄養価の高い献立を心がけています。

『労う』は苦労に対しての慰労の意味合いが強い一方、労わるは対象を心から大切にしている気持ちをストレートに表せます。

人に使用すると、温かい心遣いを感じ、体と一緒に心も労わっているような印象を受けるでしょう。

目上の人や弱っている人に対して使う

『労う』は目上の人に使うのに適しません。格下に見ていると誤解を招くおそれがあるため、立場や年齢を踏まえて使用します。

  • ×今回の企画に奔走した上司に労いの言葉をかけた。

『ご苦労様』といった意味合いのため、本来は上司が部下に対して使うのが適切です。一方、『労わる』は目上の人にも気軽に使えます

目上の人に「お体を労わってください」と声をかけても問題ありません。

  • 風邪をひいた母を労わって、家事を一手に引き受けました。
  • 叔父は車で送迎するなどして、足腰が弱い祖父を労わっています。
  • 部長が入院されたと聞いて驚いています。どうかお体を労わってください。

病人や老人など弱い立場にある人に対しても使用でき、親切な気持ちや気配りを表現できるでしょう。

目上の人に感謝の言葉をかけるとき

目上の人を労うという行為は失礼にあたります。立場とシーンに相応しい言葉で感謝の気持ちを伝えることが大切です。

相手が社内の人か社外の人かによっても適切な言葉が異なるため、使い分けられるようにしましょう。

『ご尽力いただきまして』などと丁寧に

目上の人や社外の人には、丁寧な表現を心がけましょう。

「~の件、感謝しています」とそのまま伝えたいときも『~していただき、感謝しております』など、謙譲語を取り入れると印象がアップします。

力を尽くすことを指す『尽力』を丁寧にした『ご尽力』もよく使われる表現です。

  • ○○様のご尽力に感謝しております。おかげさまで、無事に試作の段階に進みました。
  • その節は、ご尽力いただきまして誠にありがとうございました。

ご尽力と似た言葉である『お骨折り』や『お力添え』も覚えておくと、表現の幅が広がるでしょう。

  • この度はお骨折りいただき深謝申し上げます。
  • これもみなさまのお力添えのおかげです。

『ご苦労様です』は使わない

『ご苦労様』は相手を労う言葉の一つですが、目上の人に使うのは適切ではないとされています。ひと昔前は立場問わず使用されていたものの、現在は格下に対して使うのが主流です。

  • ○○社との商談ですが、無事まとまりそうです。―ご苦労様。

『ご苦労様』が適さないときには『お疲れ様』と言い換えます。お疲れ様は立場を問いませんが、社内での使用に留めておいたほうが無難です。

労うと同様に、目上の人への挨拶としては引っかかりを覚える人もいます。社外の人に対しては『お世話になっております』を使うのが一般的でしょう。

お世話になっておりますも使い分けが必要です。社外で面識のある人にはお世話になっておりますを使い、これから関係を築いていく人には『お世話になります』が適しています。

取引先の相手に使える言葉

足を運んでもらったことに対してお礼が言いたいときは『ご足労いただき』と付け加えます。

相手に『足』を使って来てもらう『労力』に対して、丁寧語の『御』を付けた『御足労』がもともとの形です。『いただき』と謙譲語を加えるとより丁寧になるでしょう。

  • 先日は遠方にもかかわらず、ご足労いただき誠にありがとうございました。

相手に無理をさせてしまったことを詫びたいときは『ご足労をおかけして申し訳ありません』としましょう。来てもらうのは相手の意思による行動のため、ご足労いただきの後に謝るのは不自然です。

訪問や打ち合わせの後は『お時間をとっていただき』など、時間を割いてもらったことへのお礼を添えると、より丁寧な印象を与えられます。

  • お忙しい中、貴重なお時間をとっていただきありがとうございました。

同僚や部下に労いの言葉をかけるとき

同僚や部下を労う秘訣は、頑張りを認めて評価することです。上から目線になったりプレッシャーをかけたりしないように言葉を選ぶ必要もあります。

感謝の意を伝えると同時に、パフォーマンスを引き出してあげましょう。

おかげさまで助かったとしっかりお礼を伝える

同僚や部下にお礼の言葉をかける際には『おかげさま』『助かる』が喜ばれるでしょう。

おかげさまでは『お陰様』と書きます。『陰』が神様の下で恩恵を受ける様子を指し、敬称の『お』『様』を付けた形で力添えに対する感謝を示す表現です。

感謝の気持ちだけでなく『あなたの尽力があったからこそ』とほめるニュアンスも含まれるため、相手は達成感や安心感を覚えます。

  • このプロジェクトが成功したのは○○さんのおかげだよ。本当にありがとう。
  • ○○さんの丁寧な仕事にはいつも助かっています。

「自分だけの手柄ではない」と謙虚な態度を示せるのもポイントです。苦労したことを共感することで、信頼関係が生まれることもあります。

  • さっきのクレーム対応、大変でしたね。ご苦労様でした。

頑張ってよりも一緒に頑張ろうという気持ちで

エールを送るつもりで「頑張れ」と言っても、人によっては「すでに頑張っているのに……」とガッカリします。「相手からしたら、もっと頑張ってほしいのかな」とプレッシャーを感じてしまうことも珍しくありません。

いつも以上にパフォーマンスを高めてもらいたいときは、相手の努力を評価したうえで「一緒に頑張ろう」「困ったときはサポートするからね」など、気持ちに寄り添った言葉をかけて労いましょう。

  • あなたなら大丈夫!一緒に頑張ろう!
  • いつもお疲れ様。困ったことがあれば相談に乗るよ。

さまざまな場面の労わる言葉

労わる言葉もバリエーションが豊富です。丁寧な表現も押さえて、ビジネスシーンに役立ててはいかがでしょうか?

葬式後の挨拶をメールで送る際は、文書に相応しい表現で相手を労わりましょう。

体調を気遣うとき

ゆっくり静養してほしいときや、早く回復してほしいときは『お大事に』を使うのが定番です。『くれぐれも』や『どうか』などをプラスすると、より丁寧な印象になるでしょう。

  • ご無理をなさらず、くれぐれも(どうか)お大事になさってください。

くれぐれもは心から願っている意味を強調する言葉です。どうかには大変なことは承知のうえで『そこをどうにか』という懇願が込められています。

『お体に気をつけて』『ご静養ください』も、体を気遣う想いを表現したいときに適しています。

  • まだまだ暑い日が続きます。どうかお体に気をつけてお過ごしください。
  • 心よりお見舞い申し上げます。どうか十分にご静養くださいませ。

静養は『仕事から離れて心身の回復をはかってほしい』という意味です。ビジネスの相手や目上の人にも使えるでしょう。

葬儀が終わった後の挨拶やメール

訃報をメールで受けた場合、ビジネス関連や親しい間柄ならメールでお悔やみを伝えても問題ありません。

礼状よりも素早く返信できるため、お悔みや労わりの気持ちを届けやすいなどのメリットがあげられます。送る際には、故人の死をいたむ気持ちだけでなく、遺族を労わる言葉も添えましょう

メールなどの文書では『お大事に』よりも『ご自愛ください』や『おいといください』が適しています。

  • お疲れが出るころと存じます。くれぐれもご自愛ください。
  • 仕事のことは気になさらず、どうかお体をおいといください。

ご自愛は『お体を大切にして』と気遣う言葉ですが、すでに体調を崩している人には使えません。「おいとい」は『お厭い』と書き、体をかばう・大事にするという意味です。

目上の人に使える丁寧な表現として重宝するでしょう。

相手からの気遣いがあったときの返事の仕方

労いに対してお礼を言うときは、謙虚な態度を心がけて相手を立てる言葉を加えると、イメージがよくなります。

体を労わる言葉をかけられたら、シーンによってお礼と結びの言葉を変えてみましょう。

労う言葉をかけられたとき

労う言葉をかけられるとつい嬉しくなって、自分自身の実力を過大評価しがちです。調子に乗って自惚れた発言はしないように、謙遜する言葉を使ってお礼を述べましょう

  • お役に立てて何よりです。○○係長にご指導いただいた結果が、今回の成功につながりました。
  • ひとえに皆様のおかげと感謝いたしております。変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

「ありがとうございます」とひと言で済ませるのが不自然なシーンでは「お役に立てて何よりです」「皆様のおかげです」など、労いに対する感謝とお礼をプラスします。

労わる言葉をかけられたとき

お大事になど体を労わる言葉をかけられたら『ありがとうございます』『お気遣いいただきありがとうございます』と返すのがベターです。

お見舞いの電話の最後など、労わりの言葉をかけられるタイミングの多くは別れ際になります。無理に話を広げる必要はありません。

お礼の後に「では失礼いたします」と言って、話を締めくくると自然です。手紙やメールでは、かしこまった表現が望ましいでしょう。

また『感謝いたします』など、丁寧な表現や、相手の体調を気遣う表現を加えます。

  • お心遣いに感謝いたします。○○様も、体調にはご留意くださいませ。
  • ○○さんもお体を大切に過ごされますようお祈り申し上げます。

まとめ

ビジネスシーンでは上司に労われることもあれば、同僚や部下を労う機会も多々あります。相手の立場を踏まえて活用して、労いの言葉が持つパワーで仕事と人間関係を円滑にしましょう。

似た言葉である労わるも、適切に使い分けたいものです。ここぞというときに労いと労わりの言葉をかけて、一緒に働きたいと思われる社会人にランクアップしましょう。

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