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『したり』の正しい使い方とは?多い間違いから言い換え表現まで

2020/03/24

『~したり』は、並列の関係にある事柄を繰り返し表現したい場面でよく使われる言葉です。

会話などで気軽に使える反面、誤用も多い言い回しであるため、普段から正しく使えているかどうかしっかりと見直してみましょう。

『したり』の意味や使い方を紹介

会話や文書の中で、『~したり』という表現を使いたくなる場面は多いでしょう。ここでは文法上の意味や基本的な使い方を紹介します。

繰り返して使う並列助詞

『~したり』の『たり』は、二つ以上の言葉を等しい関係でつなぐ『並列助詞』です。『並立助詞』ともよばれます。

『~したり』は「読書をしたり運動をしたり」のように、文法上は繰り返して使用するのが正しい使い方であるとされています。

また、「飛んだり跳ねたり」や「映画を観たり音楽を聴いたり」のように、直前の動詞に合わせて形を変えることも多い表現です。

並列助詞には、他にも「野球とサッカー」の『と』や「はさみもペンも」の『も』、「海に行くか山に行くか」の『か』などがあります。

対になる動詞や名詞を組み合わせる

『~したり』でつなぐ動詞や名詞は、意味の上で対になる事柄を組み合わせる使い方が一般的です。

  • 暑くなったり寒くなったり、日本は気温の変化が激しいと感じる。
  • 今夜は食べたり飲んだりして楽しく過ごしましょう。

また、組み合わせる動詞や名詞は、同じグループの言葉を使うのがセオリーだとされています。

  • 明日は、市役所に行ったりコーヒーを飲んだりして過ごす予定です。

この場合、市役所に行くこととコーヒーを飲むことは、同じグループでくくれる内容とはいえません。

  • 明日は、市役所に行ったり郵便局に行ったりする予定です。
  • 毎朝パンを食べたりコーヒーを飲んだりして過ごしています。

このように、常識や行動を考えて同じグループに属した言葉をつなげれば、違和感のない文章が作れます。

『たり』は3回続けて使用もあり

会話や文書の中でいくつもの事柄を並べて表現する機会は、日常生活やビジネスシーンにおいて頻繁にあるでしょう。

『~たり』は連続2回の使用が基本ですが、3回続けてつなげても文法上間違いではありません

  • 昨日は自宅で読書をしたり運動をしたり昼寝をしたりして過ごしました。
  • 居眠りしたりおしゃべりしたりおやつを食べたり、あの人は仕事中も自由奔放だ。

しかし何度も繰り返すと、くどい印象を与える可能性もあります。

3回以上連続で使いたい場合は、他の表現ができないか考えるようにしましょう。

『したり』の使い方の注意点

『~したり』は、さまざまな場面で気軽に使える便利な言葉ですが、間違って使われているケースも多くみられます。 

スマートな使い方ができるよう、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

後の『たり』を省略する誤用が多い

『~たり』を使用した文章で最も多い間違いが、以下のような文章です。

  • 休日はいつも、自宅で本を読んだり、犬と散歩をして過ごしています。
  • 朝早く起きたり適度に運動をすることが、健康維持の基本だと思います。

『~たり』は繰り返して使用することが原則であるため、この場合は「犬と散歩をしたりして」「適度に運動をしたりすることが」という表現が正解です。

また、次に挙げる文章のように、後半部分が長すぎる場合、『~たり』を忘れて省略する誤用が多くなりやすいため注意が必要です。

  • 職場に着いたら、オフィスの掃除をしたり、社長をはじめとした数人の上司に前日の仕事内容を報告することが、私の日課です。

「掃除をすること」と「報告をすること」は並列の関係であるため、後半も「仕事内容を報告したりすることが」とするのがよいでしょう。

『たり』を単独で使うことも

『~たり』は1回だけの使用もできます。他にも同じようなものがあることを暗示する『例示』の用法です。

  • 今週末は久しぶりに外出して、図書館に行ったりしたいと考えています。
  • 報告書を仕上げるために、インターネットで調べたりする必要がありそうです。

これらのように、複数の候補から一つだけ抜き出し、他にもする可能性があることをほのめかす場合に使用できます。

単独で使われるパターンは他にもあります。

  • あの人、実はあなたに気があったりするんじゃない?
  • 確認していないんだけど、今日は休みだったりしてね。

可能性がゼロではない場合や、「もしかして~かもしれない」というニュアンスを出したい場合に使われる表現です。くだけた印象を与えやすいため、使う相手には気をつけましょう。

『したり』を敬語で使う場合

敬語が必要な場面で『~したり』を使用する場合は注意が必要です。相手に不快な思いをさせないよう、適した使い方をマスターしましょう。

なさったり・されたり

『~したり』を目上の人や取引先などが行う動作に使用する場合は、『~なさったり』や『~されたり』などの尊敬語に変える必要があります。

  • 昨日、○○様は、集会で講演なさったり展示会に参加なさったりと、お忙しい様子でした。
  • イベントをされたり値引きをされたりするなど、貴社もさまざまな努力をされていますよね。

また、以下のように動詞自体を尊敬語に変化させて~したりを繰り返す方法もあります。

  • 新しい機械を使えば、映像をご覧になったり音楽をお聞きになったりできますよ。

ちなみにこの場合は「映像をご覧になられたり音楽をお聞きになられたり」としてしまうと、それぞれ二重敬語となりくどい印象を与える可能性があり要注意です。

履歴書や面接時にはあまり使用しない

『~したり』は、基本的に話し言葉であるため、敬語表現に変えたとしても履歴書やビジネスメールなどの文書にはふさわしくありません。

また、目上の人との会話や面接時の会話など、敬語で話す必要がある場面でも、~したりは使用を避けたほうが無難です。

  • 普段はボランティアに参加したり、両親が経営している会社を手伝ったりしています。

例えば、面接時にこのような発言をすると、くだけた印象を与えかねないと同時に、他にも何かしていることの中から適当に二つだけを選んだような、アバウトな発言と捉えられる可能性があります。

  • 普段はボランティアや両親が経営している会社の手伝いをいたしております。

『~したり』を使用しないことで、あいまいなニュアンスがなくなり、全体として締まった雰囲気のある表現にできます

『したり』の別の言い方

口語表現としてのイメージが強い~したりは、別の言い方に変えたほうがよい場面も多々あります。言い換えを覚え、表現の幅を広げましょう。

『こと』や『など』に言い換え

  • 午前中はゲームをしたり音楽を聴いたりして時間をつぶしました。
  • 立ったり座ったり、彼は落ち着きがない。

これらの文章は『こと』や『など』を使って、以下のような言い換えが可能です。

  • 午前中はゲームをすることや音楽を聴くことなどで時間をつぶしました。
  • 立つことや座ることを繰り返すなど、彼は落ち着きがない。

動詞から名詞にする

  • 昨日は本を読んだり散歩をしたりして過ごしました。
  • このエリアでは、食べたり飲んだりすることは禁止されています。

『~したり』の前にある動詞を名詞に変換できる場合は、~したりを省略できます。

  • 昨日は読書や散歩をして過ごしました。
  • このエリアでは、飲食することは禁止されています。

文章を分ける

  • ゴールデンウィークにはドライブをしたり旅行に行ったりしたいです。
  • スマートフォンでは、電話をかけたりインターネットを見たり写真を撮ったりできます。

以上の文章を、~したりの前半と後半を分けて二つに分けるのもよいでしょう。
『~したり』が三つ以上並ぶ場合も、前後に分けるとよりスマートな文章になります。

  • ゴールデンウィークにはドライブをしたいです。旅行に行くことも考えています。
  • スマートフォンでは電話をかけたりインターネットを見たりできます。写真を撮ることも可能です。

まとめ

対になる言葉を組み合わせて使う『~したり』は、単独での使用や3回続けての使用もできます。

基本的に話し言葉であるため、履歴書や面接では使用を控えましょう。

後の『~したり』を省略する誤用も多いことから、別の言い回しを覚えて文章表現の幅を広げることも意識してみるとよいですね。

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