LIFE STYLE

『ご不便をおかけしますが』この敬語あってる…?正しい意味や使い方をチェック

2020/03/30

『ご不便をおかけしますが』は、ビジネスだけでなく、日常生活のさまざまなシーンで目にする表現です。実際に自分が使う際に戸惑うことのないよう、例文などを交えながら、意味や使い方をしっかりとマスターしておきましょう。

ご不便をおかけしますがの意味って?

ビジネスメールなどで敬語を使おうとする場合、誤用であってもなんとなく雰囲気のある表現ができてしまうことがあります。 正しい日本語であるか、敬語として間違っていないか、しっかりと確認して使用することが重要です。

相手に不都合なことを及ぼす

『不便(ふべん)』は、「便利でないこと、都合の悪いこと」を意味する言葉です。「不便を感じる」「不便な点」などのように使われます。 

ご不便をおかけしますは、不便に丁寧の接頭語『ご』を付け、『かける』の謙譲表現『おかけする』を丁寧に変化させた言い回しです。 

相手に対し不都合なことを及ぼす意味の「不便をかける」というフレーズを、正しい敬語表現にしたものであり、二重敬語ではありません。

日本語として正しい?

「苦労をかける」「迷惑をかける」という言い回しはよく使われますが、不便をかけるという表現には違和感を覚える人もいるでしょう。 

しかし、不便をかけるは辞書にも載っている正しい日本語です。したがって、ご不便をおかけしますがも、正しい日本語・敬語であるということになります。

どのようなシーンで使う?

相手に対し申し訳ないという気持ちを表す場面でよく用いられます。ミスをしたような状況での使用に限らないことを確認しましょう。

不手際などに対する謝罪

ビジネスシーンでは、何らかのミスやトラブルを起こすことがしばしば発生します。それらが原因で、相手がいる場合に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。 このような状況で、こちらの不手際などについて相手に謝罪の気持ちを示したいときによく使われます。 

フォーマルな言い回しであるため、あらたまった場面やビジネスメールでの使用に適しています。上司や取引先など目上の相手にも使えるフレーズです。

メンテナンスや工事のお知らせ

メンテナンスや工事・点検などの影響で、一時的にサービスが使えなくなったり、機能が停止したりするときにもよく使用されます。 

例えば、ビルのエレベーターを点検する場合は、点検中にエレベーターが使えなくなります。張り紙や看板などで、階段を使っての移動をお願いすることになるでしょう。 

このようなシーンでは、利用者に不便をかけることになるため、張り紙や看板などのお知らせ文に、迷惑をかけて申し訳ないという意味で使われるのです。 

なお、お知らせ文に使われる場合は、謝罪の意味合いは含んでいないと解釈できます。工事や点検といった作業は、必要不可欠であることが大半だからです。一言添えるなら「よろしくお願いします」「ご理解願います」などが適しているでしょう。

使い方を確認しよう

相手に迷惑をかけるような場面では、そのような状況になった経緯や理由を述べるようにしましょう。単なる謝罪やお知らせだけでは、相手に失礼な印象を与えてしまいます。

不便をかける理由を明記

謝罪の意味を含んでいるかどうかにかかわらず、相手に不便をかけるような場面であるなら、なぜ都合の悪い状態になるのか、その理由を明記しましょう。 相手によっては、そのような状況になった理由をしっかりと知りたい人もいます。

原因が分からない場合でも、その旨をはっきりと伝えることが肝要です。 理由を明記すれば、文章全体をより丁寧な雰囲気にできます。

丁寧な文章にすることで、相手が感じるかもしれないストレスを、少しでも和らげられる効果が期待できます。

例文

実際にどのような使い方をすればよいのか、例文を交えて確認しましょう。お知らせなどのお願い文と謝罪文の2パターンに分けて紹介します。

ご不便をおかけしますがよろしくお願いします

告知や掲示で使われる場合は、後によろしくお願いしますなどをつなげる言い回しが多くなります。いろいろなフレーズが使えることを、例文で確認しましょう。

<例>

・誠に勝手ではございますが、当店は来週から1カ月間、改装のため一時休業させていただきます。ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 

・新館の建設に伴い、平日午前9:00~午後5:00の間は、工事を実施いたします。ご不便をおかけするかと存じますが、よろしくお願い申し上げます。
 

以下のように、謝罪の意味を含めた使い方も可能です。

<例>

こちらの手違いにより、本日発送予定であった商品がまだ届いておりません。ご不便をおかけしますが、準備でき次第発送いたしますので、よろしくお願いします。

ご不便をおかけしますが、何卒ご理解~

迷惑をかけることに理解を求める場合には、『ご理解』や『ご了承』を使ったフレーズを後ろに続けた言い回しがよく使われます。 次の例文のように、何らかのお知らせをする際に使用されることが多い表現です。

<例>

・質問フォームよりお問い合わせいただきました内容に関しましては、回答にお時間を頂く場合があります。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願いします。

・明日の午前1:00より2時間ほど、定期メンテナンスを実施いたします。ご利用中の皆様には大変なご不便をおかけいたしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

ご不便をおかけして申し訳ございません

こちら側の明らかなミスやトラブルにより、相手の都合を悪くしているなら、以下のように後ろへはっきりと謝罪の言葉をつなげましょう。

<例>

・この度は、弊社の落ち度によりご連絡が遅くなってしまいました。ご不便をおかけして申し訳ございません。

・昨日送付いたしました資料の内容に、一部誤りがございました。ご不便をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。

・現在のところ、システム復旧の見通しが立っておりません。皆様方に多大なご不便をおかけし、深くお詫び申し上げる次第でございます。

類語を知って表現の幅を広げよう

「お(ご)~をおかけする」というフレーズでよく使われる類似表現を紹介します。それぞれの利用シーンが違うことをチェックしましょう。

ご負担をおかけしますが

「負担をかける」という言葉は、「手を煩わせる・手間を取らせる」というニュアンスが強い表現です。単に都合を悪くするだけでなく、文字通り負担をかけることにフォーカスしています。 

不便をかけることは、そのまま負担をかけることにもつながるといえますが、次のように、実際に何らかの手間を取らせるような場合に使うほうが自然です。

<例>

先ほど送信していただいたメールを誤って削除してしまいました。大変申し訳ございません。ご負担をおかけしますが、再度送信していただきますようお願い申し上げます。

メンテナンスや工事などのお知らせ文に使うのは、違和感があることを理解しておきましょう。

ご迷惑をおかけしますが

迷惑をかけることと不便をかけることは、ほぼ同じ意味だといえます。したがって、下記例文のように、そのまま置き換えることが可能です。

<例>

・道路の工事に伴い、大きな音が発生することがございます。近隣の皆様には多大なるご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。

・多忙につき、2週間のご猶予をいただけませんでしょうか。ご迷惑をおかけしますが、何卒事情をおくみ取りいただき、ご了承くださいますようよろしくお願いいたします。

お手数をおかけしますが

手数(てすう)とは、何かを達成するために必要な労力のことを指します。お手数と言う場合は、前述のご負担と似た意味となります。 
単に都合の悪い状態にするだけでなく、相手に余計なことをしてもらうというニュアンスを含むため、お知らせなどで使う場合は次のように使用するとよいでしょう。

<例>

昨日からエスカレーターが故障しており、現在使用できません。お手数をおかけしますが、隣の階段をご利用いただきますようお願い申し上げます。

「お手間を取らせてしまい申し訳ありませんが」というフレーズへの言い換えも可能です。

まとめ

相手に対して不都合を及ぼす際に、ご不便をおかけしますがというフレーズが使われます。こちら側のミスなどに対する謝罪をしたり、工事や点検などのお知らせをしたりする場合によく用いられる言い回しです。
 
迷惑をかけているような状況で相手を気遣う際に使われるフレーズを覚えておけは、ビジネス上のさまざまな場面で役立つでしょう。

SHARE ON

RECOMMEND ARTICLES

WHAT'S NEW