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言葉の意味

「心より感謝申し上げます」の失敗しない正しい使い方。例文・言い換え表現も紹介

2020/03/11

ビジネスシーンでよく使われる『心より感謝申し上げます』は、相手に強いお礼の気持ちを伝える言葉です。使用頻度が高いフレーズであるため、状況や相手に合わせて正しく使うことが求められます。意味や使用方法、類似表現を理解しましょう。

心より感謝申し上げますの意味

相手に感謝する気持ちを表す敬語は数多く存在し、心より感謝申し上げますもその中の一つです。

まずは言葉の意味や構成を正しく理解しておきましょう。

ありがとうの敬語表現

心より感謝申し上げますとは、「本当にありがとうございます」という気持ちをへりくだって言う謙譲表現です。 『申し上げます』は『言う』の謙譲語『申し上げる』と、丁寧語の『ます』をつなげた言葉です。 

ありがたく感じる様子を意味する『感謝』の後ろにつなげると、「感謝を言わせていただきます」となり、ありがとうございますの敬語表現となります。 

ありがたいという感謝の気持ちを伝えたいとき、単なるありがとうございますでは物足りないと思う場合や、より敬意を示したいと考える場合に、丁寧にお礼を伝えられる言葉です。 

文法的にも問題ない敬語表現であるため、正しい日本語として使えます。

心より感謝申し上げますの使い方

他人にお礼の気持ちを伝える心より感謝申し上げますについて、気をつけるべきポイントを解説します。

日頃から正しく使えているかチェックしましょう。

目上の人や取引先に使える

心より感謝申し上げますは、自分を下げることで相手を立てたいときに使う謙譲語です。上司など目上の人や取引先に対して問題なく使用できます。 

逆に、同僚・後輩など敬意を払う必要のない相手や親しい間柄の人には、かなりよそよそしい印象を与えてしまう可能性があるため、使用しないほうがよいでしょう。 

また、少し手助けをしてもらったようなときなど、ありがとうございますの一言で済むような場面では、たとえ相手が目上であったとしても、大げさな表現だと捉えられかねません。 

継続して大きな支援を受けている場合や、思いがけない協力を得たときなど、誰が考えても深いお礼を言いたくなるような場面での使用がふさわしい言葉です。

ありがとうと一緒に使わない

心の底から感謝しているような場面では、心より感謝申し上げますの後に「本当にありがとうございました」などと続けたくなるものです。 気持ちは十分に伝わるでしょうが、感謝とお礼の言葉が連続する形になってしまうため、人によってはしつこい印象を受ける場合もあるでしょう。 

同じ種類の敬語を重ねる二重敬語がかえって印象を悪くしてしまうのと同様に、感謝や謝意など似たような感情を表す言葉は、何度も続けて使うべきではありません。 心より感謝申し上げますだけでも、十分に敬意が込められた丁寧な表現です。

敬語を使う際は、一言でどれだけ深い敬意が示せるのかも考えるようにしましょう。

心よりと心からの違いは?

心よりという部分は、心からに置き換えることが可能です。両者が持つ意味に大きな違いはありません。 

しかし、心からに比べ、心よりはやや改まった表現です。心からは話し言葉に向き、心よりは書き言葉に向いているといえます。 

心からは、言葉が広がる開放的なイメージを持っており、おめでたいシーンでのお祝いの言葉や、喜びの気持ちを表したいときにぴったりです。 

対して、心よりは丁寧でかしこまったイメージを与えます。お悔やみの言葉やお詫びの気持ちを示す言葉などに向いているといえるでしょう。

誠に感謝申し上げますは間違い

心よりという言葉を、似た意味の『誠に』と置き換えた、誠に感謝申し上げますという表現は、文法上間違いです。 

誠には形容詞や形容動詞を修飾する語であり、感謝するという動詞を修飾できません。「誠に嬉しい」「誠に悲しい」「誠に遺憾だ」のように使います。 誠にを使いたい場合は、『ありがたい』という形容詞を修飾している「誠にありがとうございます」が適切です。

心よりを別の言葉に置き換えるなら『心底より』『深く』がよいでしょう。 他にも類語はたくさんありますが、誤用の恐れもあります。

無理に言い換えようとせず、間違いない表現だけをうまく使うようにしましょう。

心より感謝申し上げますの例文

心より感謝申し上げますは、メールなどのビジネス文書で使うのに適した表現です。

代表的な言い回しを、例文と併せて覚えましょう。

~いただいたこと、心より感謝申し上げます

相手にお礼の気持ちを述べる際には、感謝している対象を具体的に文章で表現しましょう。相手に意図を伝えやすくなり、より丁寧で心のこもった言い回しになります。 

下に挙げた例文のように、感謝したいことを詳しく言葉で表現します。言われたほうも報われた気分になり、よい印象を受けることでしょう。

▼使い方の例

・2年もの長い間、弊社のプロジェクトにご尽力いただいたこと、心より感謝申し上げます。

・ 私共のためにわざわざ県外までご足労いただいたこと、心より感謝申し上げます。 

『~いただいたこと』という部分は、次の例文のように、直前の言葉に合わせて適宜変化させましょう。

▼使い方の例

・思いがけない形でこのような多額のご寄付を頂戴いたしましたこと、心より感謝申し上げます。 

ご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます

心より感謝申し上げますという表現は「少し大げさに聞こえるほどありがたい気持ちを持っています」というような、強い思いを伝えられるフレーズです。 

そのため、お客様などからいつもひいきにしてもらっていることを意味する『ご愛顧』とは、とても相性のよい組み合わせです。 

以下、例文を確認しておきましょう。

▼使い方の例

・平素は格別のご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。来月2号店をオープンする運びとなりましたので、是非お越しいただきますようお願いいたします。 

・日頃から弊社のサービスへご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。このたび、新しいバージョンをリリースいたしましたので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 

心より感謝申し上げますの言い換え表現

お礼や感謝の気持ちを伝える別の表現を紹介します。言い回しのバリエーションを増やすことで、文章のワンパターン化を防げるでしょう。

深謝申し上げます

『深謝(しんしゃ)』とは、文字通り深い感謝の気持ちを表す言葉です。目上の人に強い感謝の意を表明する、へりくだった敬語になります。 あまり使われない上に、聞き取りにくい言葉であるため、話し言葉には向きません。

かしこまった文書などで、やや文語的な表現と一緒に使われます。 下に例文を紹介します。

▼使い方の例

・このたびの震災におきまして、皆様から多大なるご支援を頂きましたこと、深謝申し上げます。 

なお、深謝は以下のように「深い謝罪の気持ち」を意味する場合もあります。

▼使い方の例

・今回の不祥事につきまして、スタッフ一同猛省のうえ深謝申し上げます。 

お礼申し上げます

お礼は感謝とほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、感謝より優しく柔らかな印象を与えやすいため、女性が使うのに適しているといえます。 

お礼は『御礼(おんれい)』と書くこともあります。

以下例文のように、相手にお礼を述べたいときによく使われる丁寧な敬語表現です。

▼使い方の例

・先日は貴社の創立20周年記念パーティーにお招きいただき、誠にありがとうございます。社員一同、心より御礼申し上げます。 

・昨日はお忙しい中、商談の機会をいただきましてありがとうございました。また、弊社スタッフに対して技術面でのご指導までいただき、重ねてお礼申し上げます。 

お礼の申し上げようもございません

お礼の申し上げようもございませんは、「申し上げるべき言葉も思いつかないほど感謝しています」という意味の表現です。 

丁寧な言葉づかいの会話や文書でよく使われる言い回しであり、以下例文のように、これ以上ない感謝の気持ちを伝えたい場合に用いられます。

▼使い方の例

・ご多忙の折、至れり尽くせりのおもてなしに、お礼の申し上げようもございません。 

似たような表現では、他にも「感謝に堪えません(感謝してもし尽くせない)」「お詫びの言葉もございません(謝っても謝りきれない)」などがあります。

まとめ

心より感謝申し上げますは、ありがとうございますの敬語表現です。目上の人や取引先に対し、メールや会話でお礼を述べる際に使えます。 

相手に感謝の気持ちを表す他の言い回しもマスターし、さまざまな場面で役立てられるよう、バリエーション豊かな表現力を身につけましょう。

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