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「ご贔屓」の意味と使い方。ビジネスで実際に使える例文集

2020/02/26

取引先やお客様に感謝の意を表す際、『ご贔屓』という言葉がよく用いられます。やや堅苦しいイメージを持ちますが、正しく使うことで相手により良い印象を与えられるでしょう。意味や使い方、似た意味の言葉などを解説します。

ご贔屓の意味

贔屓(ひいき)は、ビジネスシーンだけでなく、日常的に使われている言葉です。あらためて意味を詳しく確認しておきましょう。

目をかけること

『贔屓』とは、気に入った人や物などを、世話をしたりかわいがったりすることです。一方に偏って味方をする意味の『依怙(えこ)贔屓』という言葉が広く使われています。

『援助』『肩入れ』などの似た言葉をイメージすると、意味が分かりやすくなるでしょう。 動詞形は「贔屓する・贔屓にする」であり、『目をかける』『優遇する』といった言葉が類語として挙げられます。

自分が相手を贔屓する場合は「贔屓にしているスポーツ選手」のように表現し、相手が自分を贔屓している場合は「昔から贔屓にしてもらっている」のように語尾を変化させます。

人や物だけでなく、店舗や組織に対しても使われる言葉です。接頭語の『ご』をつけることで、丁寧な表現の敬語になります。

ご贔屓の使い方

ご贔屓という言葉を、日頃から何気なく使っている人も多いのではないでしょうか。シーンや相手も考慮しながら、適切な使用を心掛けることが大切です。

企業やお客様へ感謝を伝える

ご贔屓は、いつもお世話になっている取引先などの企業や団体に対して、「日頃から贔屓にしてもらってありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える際によく使います。

また、販売・サービス・飲食など、接客を中心とした業務に携わっている個人や企業が、常連客に対してお礼を述べるようなケースでも使われる言葉です。

このような場面で用いられる場合には、依怙贔屓に込められているような「一方的に」目をかけてもらっているニュアンスは含みません。

多くの同業他社が存在する中でも、自社と取り引きをしてくれたり、自社の商品・サービスを使ってもらったりしていることに対する、純粋な感謝の気持ちを示す意味で使われます。

目上の人への使い方に注意

ご贔屓は、丁寧の接頭語『ご』がついているため、取引先や目上の人など敬意を示すべき相手にも使える言葉です。 目上の相手が自分を贔屓にしている場合に限り、「ご贔屓にしていただく」などのような表現で使います。

逆に、自分が目上の人を贔屓するという表現は、相手に失礼な印象を与えてしまいます。誰が主体であっても、目上の相手を贔屓の対象にしないようにしましょう。

また、「私はあの店がご贔屓なんです」のように、自分が贔屓にしている状態で『ご』をつけることも、適切な表現とはいえません。

俗語として使われる場合もありますが、正しい使い方を意識するなら『ご』をつけないほうがよいでしょう。

ご贔屓の例文

状況を思い浮かべながら、よく使われるフレーズを例文で確認しましょう。使うタイミングを間違えないよう、しっかりマスターして活用してみてください。

今後ともご贔屓のほどお願いします

普段から商品やサービスを利用してくれているお客様に対し、「引き続き利用してほしい」という気持ちを伝えるためによく使用されるフレーズです。

一般的には、感謝の気持ちを述べる表現とセットで使われます。お客様だけでなく、取り引きのある企業や団体などにも同じように用いられる言い回しです。

以下、例文で確認しましょう。

▼使い方の例

・日頃より当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。今後ともご贔屓のほどよろしくお願いします。

・このたびの契約締結も○○様のお口添えのお蔭です。今後ともご贔屓のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

いつもご贔屓ありがとうございます

お客様が来店や訪問をした際、帰り間際などに感謝の気持ちを伝える表現として使われる言い回しです。

自分の時間やお金をわざわざ使って、商品やサービスを利用してくれていることに対し、「日頃から利用していただき感謝いたします」という思いを伝えられます。

次のように、前後の言葉を変えることで、フレーズが一本調子になることを防げるでしょう。

▼使い方の例

・日頃からご贔屓いただき、深く感謝いたします。またのご利用をお待ちしております。

・平素より格別のご贔屓を頂戴し、感謝の念に堪えません。引き続き変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

ご贔屓を賜り、厚く御礼申しあげます

ややかしこまった敬語表現で、強い感謝の念を示すことで、節目の挨拶や閉店の案内などにふさわしい言い回しとなります。

『賜り』『厚く御礼』などの言葉を用いているため、より誠意のこもったニュアンスが出せる文章です。

以下のように使ってみましょう。

▼使い方の例

・日頃より当店へのご贔屓を賜り、厚く御礼申しあげます。皆様のお力添えにより、当店は今年で開店10周年を迎えることができました。

・長い間、多大なご贔屓を賜り、厚く御礼申しあげます。誠に勝手ではございますが、当店の営業は10月31日を持ちまして終了とさせていただきます。

ご贔屓筋・ご贔屓様という使い方も

宝塚や歌舞伎の世界では、「自分のことを支援してくれる、お世話になっている」人を指し、『ご贔屓筋(すじ)』『ご贔屓様(さま)』という言葉が使われています。

芸能界やスポーツ界などで経済的な支えの手を差し伸べてくれる、『後援者』『パトロン』と同じような意味です。相撲界では『タニマチ』とも呼ばれています。

『ご贔屓筋』は、歌舞伎の公演ごとに観に来てくれたり、花や品物などを差し入れしてくれたりする人のことをいいます。宝塚では同じような人のことを『ご贔屓様』といいます。

これらの支援者がついている役者は、ただ応援を受けるだけでなく、相手の顔や名前を覚えたり、お礼状を書いたりと、さまざまな形で感謝の意を伝える努力をしているようです。

ご贔屓の類語

ご贔屓は普段からよく用いられる言葉ですが、いくつか類語もあります。状況によっては別の言い回しのほうが適切な場合もあるでしょう。

ご愛顧

お客様などからいつもひいきにしてもらっていることを意味する『ご愛顧』という言葉は、ご贔屓と置き換えて同じような意味で使えます。

贔屓という漢字に堅苦しさを感じる場合は、柔らかなイメージを与えるご愛顧を使用するとよいでしょう。

以下に例文を挙げます。

▼使い方の例

・旧年中は大変お世話になりました。今年もご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

・弊社は創立30周年を無事に迎えることができました。これもひとえに皆様のご愛顧とご支援によるものだと感謝申し上げます。

お引き立て

ご贔屓と同様の意味を持つ敬語『お引き立て』は、「力付ける、励ます、より見栄え良くする」という意味の『引き立てる』という言葉から生まれた表現です。

他の類語に比べ、言葉自体が相手にソフトな印象を与えられるため、ビジネスメールなどでよく使われています。

下の例文で使い方を確認しましょう。

▼使い方の例

・貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃より多大なるお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

・引き続きより良いサービスを皆様にご提供できるよう、尽力してまいります。今後もお引き立ていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

厚遇

「行き届いた丁寧なおもてなし」を意味する『厚遇』は、贔屓と同じような使い方ができる言葉です。 自分が手厚いもてなしを受ける場合は「厚遇を受ける」、相手に手厚いもてなしをする場合は「厚遇する」と表現します。

『優遇』という言葉とほぼ同じ意味を持ち、ただもてなすだけでなく、隅々まで行き渡ったもてなしを表す言葉です。

他の類語のように『ご』を付けて『ご厚遇』とすることはほとんどなく、付ける場合は『ご厚情』『ご高配』『ご恩情』などに置き換えて使われます。

まとめ

ご贔屓とは、気に入った人や物などに目をかけることです。企業やお客様へお礼や感謝の気持ちを述べる際によく使われます。

類語も多いため、意味や使い方をしっかりと理解し、相手やシーンに合わせて上手に使い分けましょう。

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