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お迎えにあがりますはNG?「迎えに行く」の丁寧な言い方とは

2020/02/26

社会に出ると、今まで当たり前に使っていた言い回しを敬語に言い換える必要性が出てきます。なかには、敬語表現がわからない言葉もあるでしょう。間違えやすい『迎えに行く』の敬語表現と使い方についてくわしく解説します。

迎えに行くの敬語表現

友人や家族などを家に招く際や待ち合わせをする際「迎えに行くよ」と気軽に声をかけることもあるでしょう。プライベートでは、この言い方にまったく問題はありません。

仕事でも『相手を迎えに行くほうがスムーズに事が運びそうなとき』もあります。 取引相手が来社するときや上司と待ち合わせて営業に行くときなどに、何と声をかけたらよいのか迷う人もいるでしょう。

こうした場面で使える迎えに行くの敬語表現について見ていきます。

お迎えに参ります

取引相手や上司などを迎えに行く際の敬語として『お迎えに行きます』を思い浮かべる人もいるかもしれません。親しい間柄や会話の中であれば、大きな問題はないでしょう。

しかし、お迎えに行きますの『行きます』は丁寧語です。上司などの立場や年齢が上の相手や、取引先やお客様など丁重にもてなす必要のある相手には『敬意が足りない』可能性があります。

メールでの連絡やしっかりと敬語表現をしたい相手には、謙譲語の『参ります』を使って『お迎えに参ります』とするのがベターです。

▼使い方の例

・道がわかりにくいので、私がお迎えに参りましょうか?

・ロビーまでお迎えに参りますので、ゆっくりいらしてください。

迎えに行くと申し出ること自体が気の利いた行動です。さらに、正しい敬語表現で提案できると、好印象を与えるでしょう。

お迎えにあがりますとは言わないほうが無難

迎えに行くことを表す敬語として『お迎えにあがります』という表現を耳にしたことがある人も多いでしょう。 『あがります』は、『行く』の謙譲語の一つです。『説明に上がる』『申し上げる』などが、同じくあがるを使った謙譲語として知られています。

しかし、あがるは『食べる』の尊敬語『召し上がる』と混同されがちです。そのため、お迎えにあがりますは、間違った敬語と誤解されることがあります。

迎えにいくを敬語にしたいときは、お迎えに参りますと表現するほうが一般的です。

▼使い方の例

・到着のお時間にあわせてお迎えにあがります→到着のお時間にあわせてお迎えに参ります。

・お迎えにあがるのは何時頃がご都合よろしいですか?→お迎えに参るのは何時頃がご都合よろしいですか?

使い方に注意しよう

敬語表現は使い方を誤ると、意図が変わったり反対に失礼な表現になったりすることがあります。続いては、迎えに行くの敬語表現の使い方を見ていきましょう。

自分の家族に対しては迎えに行くでOK

お迎えに参りますは敬語の中でも、自分を下げて相手に敬意を見せる謙譲語です。もし、丁寧な言葉遣いを心がける家庭や間柄であっても、自分の家族に対しては「迎えに行きます」で十分です。

なかには、子どもを幼稚園や習い事に通わせるママもいるでしょう。送り迎えに関して、施設側から質問されることもあります。

▼使い方の例

・夜○時に終わる予定ですが、ご家族のどなたかいらっしゃることは可能ですか?―私が迎えに行きます。

ただし、より礼儀正しく答えたいときや高い立場の相手から質問された場合は、自分をへりくだる意味で「私が迎えに参ります」と答えましょう。

『お迎え』の『お』は送迎される側を高める表現です。自分の子どもの迎えの際は付けないようにしましょう。

お迎えいたしますとの意味の違い

『お迎えいたします』は、迎えに行くと混同しがちな敬語ですが『自分がその場から動かずくるものを迎え入れる』際に使います。

『いたします』は『する』の謙譲語です。お迎えする行為に対してへりくだるため、ホストの立場にふさわしい表現です。

▼使い方の例

・代表自ら玄関でお迎えいたします。

・スタッフ一同、笑顔でお迎えいたします。

自分が相手を迎えるために動く場合には使えません。行くの謙譲語にあたる参りますが適当です。

お迎えいたしますは、旅館やお店などで使われることが多い言い回しと覚えておくとよいでしょう。

尊敬語ではどのような言い方がある?

使う機会はあまりないかもしれませんが、迎えに行くには尊敬語の表現もあります。なぜ使う機会が少ないのか、理由も含めて紹介します。

迎えにいらっしゃいます

迎えに行くの尊敬語は『お迎えにいらっしゃいます』です。迎えに行くのが目上の人や立場が上の人の場合に使うことがあります。

お迎えの『お』と『いらっしゃる』の両方が尊敬語のため、二重敬語とならないように「迎えにいらっしゃいます」と言う場合もあるようです。

▼使い方の例

・○○先生、具合の悪い△△君ですが、あと20分ほどで親御さんが迎えにいらっしゃいます。

「迎えにいらっしゃいます」という表現を耳する機会は少ないかもしれません。迎えに行く人・迎えを待つ人両方に敬意を表す機会はそう多くないでしょう。

相手を考えて使おう

お迎えにいらっしゃいますという表現ができるシチュエーションは、ある程度限定されます。

社内の人間を上司に当たる人物が迎えに行くことを伝えるケースや、お客様のお迎えにお客様の家族がくるケースなどが当てはまるでしょう。

▼使い方の例

・社長のお迎えには部長がいらっしゃるそうです。

・雨が強くなったのでご主人からお迎えにいらっしゃるとご連絡がありました。

ここでまぎらわしいのが、取引先に上司の動向について報告する場合です。

▼使い方の例

・○○様のお迎えには、部長の○○が参ります。

社外には、社長や会長など社内で高いポジションの人でも身内として扱いましょう。敬語表現は、相手に向けた敬意のみで大丈夫です。

お迎えに関するさまざまな言い方

ほかにも迎えに行くことを伝える表現はいくつかあります。お迎えに関するさまざまな言い方を見ていきましょう。

指定の時間、場所に伺います

『行く』の謙譲語の『伺う』も迎えに行くに使うことが可能です。

▼使い方の例

・こちらからご自宅までお迎えに伺います。いつごろであれば、ご都合よろしいでしょうか?

『お迎えのために訪問する』という意味で、時間や場所を指定して迎えに行くことを示す場合にも使えます。

▼使い方の例

・それでは、○○時に××駅まで伺います。

『お伺いします』もよく使われる表現ですが、謙譲語である伺うと謙譲表現『お~する』を同時に使用しているため、二重敬語です。

送迎いたします

相手を目的地まで連れていき、用事が済んだら再び送っていく場合には『送迎』と表現できます。するの謙譲語いたしますを加えて表現すると、より敬意と責任感を表せるでしょう。

▼使い方の例

・目的地までは私が責任を持って送迎いたします。

送迎とは『ある場所から離れようとする人を希望の場所まで直接送っていくこと』『ある場所へ行きたい人を待ち合わせの場所へ迎えに行くこと』の両方を意味します。

送迎する相手はすでに決まっており、目的地も一つです。人の送り迎えを指す表現で「お荷物を送迎いたします」とは言いません。

どちらか片道の場合も送迎にあたりますが『片道送迎』などと表現されることが多いでしょう。

ご案内いたしました

お迎えが完了したことを報告する際、身内同士であれば「お迎えに行ってきました」でも意味は伝わります。

一方で、お客様のお迎えが完了したことを上司に伝える場面などでは『ご案内しました』という表現がスマートです。

お迎えが完了したお客様のところへ、遅れて連れの方を案内するときなどにも使えます。

▼使い方の例

・○○様をエントランスから応接室にご案内いたしました。

・お連れ様は先にお席へご案内いたしました。

しっくりくるシチュエーションに遭遇したときは、ぜひ使ってみましょう。

迎えにきてもらうときの返事は?

地図を読むのが苦手な人や初めての土地を訪れる際、誰かが迎えにきてくれたらとても心強いものです。お迎えの申し出に対してお礼を言うとき、どのような表現が適切なのでしょうか?

また、さまざまな理由からお迎えの申し出を断らなければならないこともあるでしょう。

どのように断れば、相手の顔を立てた断り方ができるのかも紹介します。

お礼を伝えるとき

迎えにきてもらえるのは、相手が自分のために移動してくれているからです。こうした相手の行動を尊敬語では『ご足労』と言います。

お礼を伝える際に「ご足労いただき……」を加えて表現すると、感謝と敬意、労いの気持ちが伝わるでしょう。

▼使い方の例

・本日は私のためにご足労いただき、ありがとうございました。

・お足元が悪い中、ご足労いただきまして申し訳ございません。心より感謝申し上げます。

対等な関係や後輩などが、お迎えのために車を出してくれたり、電車を乗り継いで迎えにきてくれたりしたときには「ありがとう」の言葉だけでなくお車代として1,000~3,000円ほど包むのが礼儀です。

断りたいとき

お迎えの申し出はありがたいものの、道中に済ませたい電話や1人で歩きながら考えたいことがあるときなどは断るのが忍びないものです。

こうしたときにはお礼とクッション言葉を使い、相手を立てながら断るのがよいでしょう。

▼使い方の例

・せっかくのお申し出大変ありがたいのですが、違うルートで伺うつもりなのでお気持ちだけ頂戴します。

・御社の付近にはなじみがありますのでご足労には及びません。お気づかいありがとうございます。

理由を踏まえつつ断ると相手も納得して引きやすくなります。

ただし、相手の申し出を断るからには、相手の元に約束の時刻よりも少し早めに到着するのがマナーです。

まとめ

迎えに関する表現は複数ありますが、相手やシチュエーション・時系列などによってうまく使い分けましょう。

誰かに迎えにきてもらったときやお迎えの申し出を受けたときは、感謝の気持ちがまっすぐ届くようにお礼を言うと相手にも響きます。

迎えに行く申し出がマナーやルールであったとしても、親切や気づかいから生まれる行動であることをしっかり受け止めましょう。

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