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言葉の意味

「とんでもないです」の正しい言い回しや例文や類語を紹介

2021/05/12

『とんでもない』は、目上の人から評価されたときの返しによく使われます。複数の意味や言い回しがあるため「使い方がわからない」という人も多いでしょう。込められた意味やよく使われる場面を紹介します。相手やシーンを見極めて、正しく活用しましょう。

とんでもないの意味と使い方

とんでもないという言葉を「何となくよく使っている」という人は案外多いはず。
とんでもないは、強い驚きや憤りを感じたときに主に否定の言葉として使われます。 恐れ多いときなどに謙遜の意味で使う人もいるでしょう。

【1】思いがけないこと

とんでもないは、もともと『途でもない』からきた言葉です。『途』は『道』や『道理』を表し、そこから外れて思いもよらないことが起こったときによく使われていました。

ビジネスシーンでは、誰も予想できないようなことが起こることも珍しくありません。そんな時には、こんな使い方をしてみてください。

▼使い方の例

  • ○○の案件ですが、とんでもないことになりました
  • 突然お声がけいただいたのは、とんでもないことです

「予想外」「普通ではありえない」「思いがけない」といった『驚き』の意味が込められています。

【2】けしからぬこと

とんでもないには『けしからぬこと』『常識からかけ離れている』という意味もあります。

常識では考えられないような無礼な行動や、ひどい様子を指すことが多いでしょう。 思いがけないことに遭遇したときに使うものと比べて、怒りや非難の意味合いが強くなります。

▼使い方の例

  • 大事な約束をすっぽかすなんて、とんでもない奴だ
  • 具合の悪い彼女を置いて遊びに行こうとするなんてとんでもない

相手を責める意味合いで使われるため、目上の人と話す際には避けたほうがよいでしょう。「冗談じゃない」と相手を突っぱねるような鋭さがあります。

【3】強い否定や謙遜を表す否定

とんでもないは、反論や否定を表すときにも使われます。自分がしたことではない失態を疑われたときに、強く否定するのがその一例です。

▼使い方の例

  • とんでもない!それは私のミスではありません
  • 計画を失敗させようとしてわざとやったなんてとんでもない!

一方で、目上の人から予想以上にほめられたときに、謙遜する意味合いで使われることもあります。

  • いえいえ、とんでもないです。○○さんのほうが○○ではないですか
  • とんでもないことでございます。親身になってご指導いただいているからです。

▼使い方の例

日本人のマナーにおいて、謙遜は切り離せない要素です。控えめな姿勢を保ちつつ相手を立てるのに便利な言葉で、職場や公の場で多く使われています。

とんでもないをよく使う場面とは

では「とんでもない」はどんなときに使えばよいのでしょうか?

ここでは、とんでもないをよく使うシーンや正しい切り返し方についてご紹介します。

ありがとうと言われたとき

友人からお礼を言われたときは「どういたしまして」「平気平気~」と返す人が多いでしょう。ですが、上司や先輩からお礼を言われたときに「どう返事したらよいの?」と困ってしまうことはありませんか?

目上の人に「どういたしまして」というのは、どこか上から目線な印象になってしまうので、あまりビジネスシーンにはふさわしくないでしょう。 そんなときは、代わりにとんでもないを使うと好印象です。

▼使い方の例

  • とんでもない!またいつでもお申し付けください
  • とんでもないです。こちらこそ、いつもサポートありがとうございます

「いえいえ」「どうってことありません」といった軽い返事よりも、丁寧な印象になります。目上の人からのお礼の切り返しに困ったときに便利な言葉です。

ほめられたとき

とんでもないは、先輩や上司から仕事の出来を評価されたり、ほめられたりする場面でも使われます。
「いつも仕事が早いね。本当に感心するよ」と上司にほめられたときに「とんでもないことでございます。お役に立てたようで光栄です」と謙遜するときにも最適です。

ただし「とんでもない!」とひと言だけで会話を終了させると、相手が「否定された」と受け取ってしまう可能性があります。
誤解を防ぐためには「うれしいです」「これからも頑張ります!」といったお礼や前向きな言葉を添えましょう。

▼使い方の例

  • とんでもない!先輩にそう言っていただけてうれしいです
  • とんでもないことでございます。たいへん励みになります

喜びの感情を素直に表面に出すことで、はじめの否定のニュアンスがやわらぎます。

よく聞く『とんでもございません』は誤り?

とんでもないを丁寧にしたときに『とんでもございません』が使用されますが、実はこの言葉は正しい使い方ではありません。

ここでは、なるべく使用を避けたい理由や活用法について解説します。

安易に使わないほうがよいでしょう

とんでもございませんは、職場や公の場でもたくさん使われています。 「とんでもない!」だけだとそっけない感じがするため、丁寧語の『ございます』を語尾につけて職場で使う人も多いのではないでしょうか?

しかし、とんでもないは『とんでも+ない』ではなく『とんでもない』という一つの言葉です。『ない』の部分をむやみに変形させないようにしましょう。

2007年に文化庁が打ち出した『敬語の指針』では『とんでもございません』『とんでもありません』が慣用句として認められています。

一方で、NHKの公式ホームページ上では「安易に使わないほうがよい」と記されているため、言葉に厳しい目上の人の前や公の場では避けるのが無難でしょう。

丁寧語はとんでもないことでございます

とんでもないは『とんでもない人』というように、形容詞として使われます。本来後には名詞が続くのが自然です。
名詞『こと』をつけてから丁寧語『ございます』をあわせましょう。

▼使い方の例

  • ○○の件に関して温かなお言葉をいただき、とんでもないことでございます
  • とんでもないことでございます。これからもいつでもお申し付けください

『とんでもございません』『とんでもありません』は慣用句として認められていますが、あくまでも後から許容された簡略版です。 相手によっては「日本語間違っていない?」と思われてしまう可能性があります。

誤解や悪印象を与えないためにも、省略することなく丁寧な言い方を使いましょう。

別の言い方が適している場面も

とんでもないにはたくさんの意味が込められており、受け取り側によっては別の解釈をされてしまう可能性があります。

誤解を生まないためにも、目上の人への受け答えに使える丁寧な言葉を知っておきましょう。

滅相もないです

『滅相』とはもともと仏教の用語であり、物事の流れや生物の命が消えることを指す言葉です。
滅相が尽きると消滅してしまうことから『滅相どころではない』と使われるようになり、やがて現在のような謙遜や否定の言葉として使われるようになりました。

古くから親しまれている言葉のため、ご高齢の人やより社会的な立場が高い人に使うなら『滅相もないです』がふさわしいでしょう。古風でより丁寧な印象になります。

▼使い方の例

  • 滅相もないです。また、機会があればぜひご一緒させてください
  • 滅相もないことでございます。○○様の努力ゆえの成果です

よく聞く『滅相もございません』は、とんでもございませんと同じく『ない』を省略してしまった形です。こちらは誤用のため、使用は避けましょう。

大変恐縮に存じます

『恐縮』とは、相手からの厚意や謝罪の気持ちから身がすくむほど恐れ入ることです。『大変恐縮に存じます』は相手への感謝を伝えるときや、相手からのほめ言葉を快く受け取る意を表すときに使います。 一方で、迷惑をかけてしまったときや、申し訳なく思っているときにも『クッション言葉』のように使って、相手への気遣いを示せるでしょう。

▼使い方の例

  • お忙しい中、お誘いいただき大変恐縮に存じます
  • そのように評価していただき、大変恐縮に存じます
  • 大変恐縮に存じますが、ご理解いただければと思います

とんでもないと違うのは「大変恐縮ですが○○していただけますでしょうか?」とお願いごとを伝えるときにも使えるという点です。
『恐縮』にはお詫びの意味も込められているため、相手を敬いながら頼みごとをするときには大いに役立ちます。

お気になさらず

『お気になさらず』は、相手から気を遣われたときや心配されたときに使います。「心配ありませんよ」「問題ありませんよ」と同じ意味で、利用されることが多いようです。
上司や取引先の人からある提案をされて、それを断らなければならないときにも使われます。

▼使い方の例

  • ○○の件ですが、お気になさらないでください
  • 気を遣って誘っていただき、ありがとうございます。どうかお気になさらないでください

お気になさらずのままでも敬語ですが、謙譲語で使われるときは「構わないで」とつれない印象を与えることもあるでしょう。

メールや書面の場合は「どうぞお気になさらないでください。ありがとうございます」のように『どうぞ』やお礼の言葉を添えると、そっけなさが消えてより相手への敬意が伝わります。

まとめ

普段何気なく使っているとんでもないには、たくさんの使い方があります。使うときは、場面や相手との関係性を考えながら必要な言葉を添えて使いましょう。

上手に活用すれば、一歩引きつつ相手を立てる言葉として会話が円滑に進みます。相手の年齢や地位によっては、同じような意味合いを持つ別の表現を使ったほうがよい場合もあるでしょう。

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