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「すいません」「すいません」どっちが正解?違いは?上司に謝る際の正しい使い方を解説
言葉の意味

「すいません」「すいません」どっちが正解?違いは?上司に謝る際の正しい使い方を解説

2021/07/15

「すいません」「すみません」は、家族や友人だけでなく仕事で会う同僚や上司に対してもよく使われる言葉です。では本来、言葉としてはどちらが正しいのでしょうか? 今回は、そんな「すいません」「すみません」の違いを解説。正しいのはどちらか説明していきます。正しく使う方法を知って、上司や取引先の相手など、ビジネスシーンで使う際に恥をかかないようにしましょう。

すいません・すみませんの違い

家族や恋人などの近しい人から、会社の上司や習い事の先生などの目上の人にまで『すいません』『すみません』はよく使われる言葉ですよね。

しかし実際に使う場面になって、どちらを使えばよいのか迷ってしまうことがあります。 そこで、実際にはどちらが用法として正しいのか、また二つの言葉の違いについて解説していきます。

正しいのは「すみません」

『すみません』の文法の構成から考えてみましょう。
この言葉は動詞の『済む』を打ち消す『すまぬ』という言葉が丁寧になった形です。ということを考えてみると、 日本語としては『すみません』のほうが正しいとわかります。
ビジネス文書や論文などで『すいません』が使われているケースはありません。

「すいません」は口語

『すいません』は『すみません』の『み』が変化したもので、他の人との会話中に使う言葉である『口語』です。

口語は小説やドラマの登場人物の台詞として脚本に書かれることはありますが、フォーマルな文章や公用的な会話の中で使うと、失礼な人だと思われてしまうかもしれません。

意味はどちらも同じ

すみませんもすいませんも意味は同じです。
後ほど詳しく解説しますが、言葉による細かな違いはありません。
「すいません」と、誰かに向かって軽く謝ったりするときには、すみませんという言葉に変えてもそのまま使うことができるでしょう。

すいませんは方言?

すいませんという言葉が日常的に浸透してしまっている理由として、方言が広まったという説があります。

関西では一般的?

すいませんには、歴史的な背景があるという面白い説があるので紹介します。 話は江戸時代に遡ります。

当時、今の大阪にあたる『堺』は商人の街として栄えていました。このとき、商人達はできるだけ速く商談を進めるためにも、口にする機会の多い『すみません』を、より速く言える『すいません』にしていったのだといわれています。

その後も、関西圏ではすいませんが言葉として浸透し今も残っているため、一般的に使われているという説があるのです。

すんませんと言うことも

関西圏では他に『すんません』『すんまへん』などという言葉も、すみませんの意味で使うことがあります。

こちらも、より早く口にできる言葉に変化していったのだという説があるようです。言葉の一つをとっても当時の大阪の商人達の貪欲さが見て取れます。

『大変』は『えらい』、『構わない』は『かめへん』など、他にも早口にするために変化していった言葉が、関西圏では多く見られます。

すみませんを使う場面

普段から使う言葉なのでなんとなくの意味を知っていても、ビジネスの場では間違えたくないものです。主に三つの場面で使われるので、それぞれを把握しましょう。

謝罪をするとき

一つ目は、相手に対して悪いことをしたり迷惑をかけてしまったりして、申し訳ないという謝罪の気持ちを表すときです。

英語では『Sorry』の意味で使われます。 失敗してしまったときや誰かとの約束を破ってしまったとき、待ち合わせで遅刻してしまったときなどに使われます。

注意しなければならないのが、最上級の丁寧語としては認知されていない点です。『申し訳ございません』や『お詫び申し上げます』のほうが謝罪としては丁寧です。場面によって使い分けるのがビジネスの鉄則といえます。

お願いをするとき

二つ目は、何かをお願いするときです。英語でいえば『Excuse me』や『Please』にあたる言葉になります。

なぜ依頼をするときにすみませんを使うのかというと「相手に手間や時間をかけさせてしまい、申し訳ない」という気持ちを表すために使われるのだといわれています。

こちらも最上級ではなく、フォーマルな言葉としては『恐れ入りますが』や『お願い申し上げます』のほうが丁寧だということは覚えておきましょう。

感謝をするとき

三つ目は、相手に感謝を示すときで、英語で『Thank you』と同じ意味です。こちらはもともと『心が澄まない』(それでは私の気が晴れない)という意味からきているのだそうで、上で紹介した二つとは言葉の成り立ちが違います。

混同されがちですが、ひらがなで書く場合にはぱっと見てわからないので使い分けを考える必要はないでしょう。
『感謝いたします』や『ありがとうございます』のほうが、言葉としては丁寧です。

すみませんはビジネスシーンではやや不適切

新規の顧客や取引先の担当者に対しての文章を書いているうちに、「すみません」のところで手を止めて悩んでしまう人も少なくないでしょう。

相手の立場や自分との関係性によっては、すみませんを使うのはNGなケースが結構あります。

カジュアルな言い回し

同僚や直属の上司など、自分とある程度の面識がある相手であれば、すみませんを使っても違和感はないかもしれません。

しかし、ビジネスパートナーとなって日の浅い相手や顧客に対してすみませんを使うと、不快感を覚えてしまう人もいるでしょう。

すみませんよりも丁寧な言葉が存在する以上、フォーマルになるほど使う頻度を下げたほうが安心です。

複数の意味を持つ言葉のため

すみませんは『感謝』『謝罪』『依頼』の三つの意味があります。
ビジネスの場でこの言葉を使うと、用法の違いから相手に誤解を生んでしまう可能性があるのです。

謝罪のつもりで使っても感謝の意味として受け取られてしまったら、相手は怒るでしょう。 そのため、他に明確な意味を持つ言葉があるのなら、それを選んだほうが相手に正しく自分の意図を伝えることができます。

すみませんの例文

すみませんは三つの意味を含むため誤解を生みやすい言葉です。相手に正しく自分の意図を伝えるための用法を、例文とともに見ていきましょう。

すみませんでした

意味を正しく伝えるには、理由とともに書くことが有効です。

▼使い方の例

・このたびは、お約束していた資料の提出が遅くなってしまいすみませんでした。

・私どもの配慮が足らず、不快な思いをさせてしまってすみませんでした。

というように『何が悪かったのか』を具体的に書くようにすると、誤解を防げるでしょう。

▼使い方の例

 ・こんな高価なお土産をいただいてしまい、すみません。

このような文章なら、感謝の意味として伝わります。

▼使い方の例

・子どもの面倒を長い時間見ていただいてすみません。

このように「時間を取らせてしまって申し訳ない」「子どもの面倒を見てくれてありがとう」という両方の意味で伝えることも可能です。

度々すみません

よく使われるのは「度々すみませんが…」というように、相手に何か頼みごとをするときです。

▼使い方の例

度々すみませんが、例の商品の機能についてもう一度確認させてください。

・度々すみませんが、パーティーへの出席のお返事は早めにいただけると助かります。

というような感じで使います。 『度々』には『何度も』という意味があり、同じ内容を繰り返すときに使うのがポイントです。 断りを入れたり、謝ったりするときに使うこともあります。

▼使い方例

株式会社A 〇〇課 ×× ×××様 
度々すみません、B社の△△です。 

先日お送りした請求書ですが、数字の一部が間違って記載されておりました。 修正したものを本メールにお送りしますので、お手数ですが今一度ご確認ください。

このメール文では、頻繁に何度もメールを送ったことに対する謝罪の意味を込めて使っています。度々は『重ね重ね』『度重なる』という言葉と言い換えることができるので覚えておいて損はありません。

すみませんの類語

長文の謝罪などで、すみませんばかりを何度も使っていると、余計に相手の怒りを買ってしまうことがあります。

すみませんの類語を覚えて、相手の立場や場面によって使い分けられるようにしましょう。

申し訳ない

『申し訳』とは、自分の取った行動の理由や弁明のことです。つまり『言い訳はありません』『弁明の言葉もありません』という意味で用いられます。

▼使い方例

・申し訳ないのですが作業に時間がかかっており、今しばらくお時間をいただけないでしょうか。

・私の主張が長引いたせいで、ディベートを遅らせてしまって申し訳ない。

純粋な謝罪として使うこともあれば、依頼と謝罪を半々の意味を込めて使うこともあります。似た言葉としては『お詫び申し上げます』『返す言葉もない』なども、覚えておくと便利です。

ごめんなさい

謝罪をするときの言葉で、くだけた印象を相手に与えます。

▼使い方例

・午前中に買い物に行く約束を忘れてしまっていてごめんなさい。

というような感じで使います。ビジネスの場で使うことはおすすめしません。とくに目上の人や親交の浅い人からはよい印象はもたれないでしょう。

また友人同士であっても、相手が本当に怒っているときに使うのは避けましょう。

ごめんなさいは『免じてほしい』という意味であり、相手に許してもらうことが前提だからです。

時代劇などでよく耳にする「切り捨て御免」などは、まさにここから来ています。 誠意ある謝罪なら『申し訳ない』などの言葉を使いましょう。

すみませんの言い換え表現

すみませんは意味が曖昧なため、仕事では他の表現を使ったほうがよいことが多いです。意図を明確にできる言葉を紹介しましょう。

恐れ入ります

すみませんよりも、丁寧で柔らかい印象を与えられる言葉です。

▼使い方例

・恐れ入りますが、先着の順番に案内しております。

・すみませんが、先着のお客様から順番に案内しております。

お店の店員が使うなら、恐れ入りますが』ではないでしょうか。このように、相手に何かをしてほしい場面でよく使います。 他には、感謝を述べるためにも使われることがあります。

▼使い方例

・回は私の提出した企画を採用していただき、恐れ入ります。

なお、過去形の『恐れ入りました』にしてしまうと『感心した』という意味になってしまうため、意図したことが伝わりません。

申し訳ありません

『申し訳ない』をさらに丁寧に置き換えた言葉です。謝罪の文章でよく登場します。

▼使い方例

・今回の件ではお役に立てず、誠に申し訳ありません。

・プロジェクトの進捗が滞っており、大変申し訳ありません。

このように『誠に』『大変』『とても』などの副詞をセットで付けることで、いっそう謝罪の気持ちを強く表すことができます。

▼使い方例

・私どもの連絡ミスにより、〇〇様に連絡が遅くなってしまったこと、誠に申し訳ありません。

とはいえ、謝罪が形式的・事務的と感じられることのないように、この言葉のみに頼らず他の文面も工夫しましょう。

また、相手に迷惑をかけることを謝罪しながらも、何かを依頼するときにも使います。

▼使い方例

・申し訳ありませんが、先ほどお送りした〇〇の数値について訂正していただいてもよろしいでしょうか。

というように使い分けることもできます。

恐縮です

本来は『恐れて縮こまる』という意味です。しかし現代では『相手に迷惑をかけたとき』や『恐れ入りました』という意味で使われることのほうが多いようです。

▼使い方例

・わざわざ弊社にまでお越しいただき、大変恐縮です。

・恐縮ですが、来月までに書類を揃えて提出していただけますでしょうか。

というように、恐れ入ると同じ場面で使うことが多いでしょう。 また、恐縮独自の使い方としては、

▼使い方例

・恐縮ですが、今回の案件については参加を辞退させてください。

お詫び申し上げます

といったように、断りにくい頼みごとや依頼を断るときにやんわりと断るために使うことがあります。

ビジネスにおいては最上級に近い謝罪です。上司や年上の顧客などに対し、丁寧な謝罪をする際に使います。

 ▼使い方例

・このたびは私ごとで皆様には大変ご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。 

・ 弊社のミスにより多大なご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。 

というように『個人が集団』に、あるいは『集団を代表して謝罪する』場合など、フォーマルな場で使うことが多い言葉です。 また応用として、

▼使い方例

・今回の件でご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げますとともに、下記の通り納期を訂正しますこと、ご了承願います。

ご迷惑をおかけしました

といったように『お詫び申し上げますとともに』として、謝罪とそれに伴う対応を書き連ねることもあります。

相手に対して不利益や迷惑をかけた際に用います。謝罪の意味が込められていますが、単体では使わずに『申し訳ありません』などと組み合わせて使うことが多い傾向があります。

▼使い方例

・このたびは、私の発注ミスによって御社に大変ご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます

・A様への商品配達が遅れご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。

ただしこの言い回しは、相手に不快感を抱かせる可能性があるので注意が必要です。

▼使い方例

・私の発注ミスによってご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

という文章では違和感を感じてしまいますよね。「今から迷惑をかけるのによろしくとはなんだ」と怒ってしまう人もいるかもしれません。
使い方や、あとに続ける言葉には十分な注意が必要です。

失礼いたします

失礼いたしますは、すみませんと同じぐらい汎用性の高い言葉です。とくに初めての取引先や担当者に連絡する場合などによく使います。

▼使い方例

・突然のメール、失礼いたします。A社の〇〇と申します。今後は私が御社との窓口になりますので、よろしくお願いいたします。

また、お礼のメールなどでワンクッション置きたい場合にも使うことがあります。

▼使い方例

 ・メールにて失礼いたします。B社の××です。先日のパーティーでは大変実りのあるお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 ・進めさせていただいている案件に対して取り急ぎお伝えしなければならないことがあり、メールにて失礼いたします。 

電話を切るときや、文面の最後に付け加えることがあるのも覚えておくと便利です。

ありがとうございます

日本語の中ではもっとも多く使われる言葉の一つではないでしょうか。公私を問わずにいろいろな場面で使われる言葉です。

▼使い方例

・このたびは、弊社の〇〇サービスをご利用いただきありがとうございます。

・お電話ありがとうございます。株式会社Aの担当××お伺いさせていただきます。 

というように、ビジネスでは慣用句的に使われます。上司や目上の人に使っても違和感がない言葉です。 もっとも『感謝いたします』や『お礼申し上げます』のほうが言葉としては丁寧です。そのため、フォーマルな場では使い分ける必要があるでしょう。

まとめ

日本語としては『すいません』ではなく『すみません』のほうが正しい言い回しです。親しい友人や家族ならともかく、目上の人や公的な文章ではすいませんは避けたほうがよいでしょう。

またすみませんは、感謝・謝罪・依頼の三つの意味があり、前後の文章を気をつけないと誤解されやすい言葉です。

使いやすい言葉ですが、相手が不快に思わないように、前後の文脈を考えた上で使う必要があります。

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