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インタビュー

「“いい人”でいる必要はない」元銀座No.1ホステス・鈴木セリーナさんの生き方

2019/09/30

元銀座No.1ホステスで、現在はマルチクリエイティブプロデューサーとして様々なジャンルで活躍する鈴木セリーナさん。著作の『おじさん取扱説明書』が話題となり、MINEで公開中のミニドラマ『おじさん取り扱い講座』(通称・おじ説)シリーズの監修も務めている。20歳で2歳の子供を抱え、シングルマザーとして上京したセリーナさんがここにたどり着くまでには、どんな人生を歩んできたのか。大分での子供時代から“グレた”高校生の頃、起業したとき、それぞれの時代を振り返り、当時の思いや、パワフルな行動力の源、そして“おじさん”との関わりついて語ってもらった。

クラスに波風を立てる小学生時代

大分県の名門国立小学校へ進んだという鈴木セリーナさん。のちの銀座No.1ホステスはいったいどんな子供時代を送っていたのか?
「ひと言で言うと、浮いてましたね(笑)」とセリーナさん。
「子供ながらに、間違っていると思うことは正さなくては気が済まない性格でした。小学校1年生の時、あからさまな“えこひいき”をする先生が担任だったのですが、私はPTAの集会の日に、大勢の保護者の前で『この先生、えこひいきしようけんな!』と暴露したんです」。

それは…正義の味方、ヒロイン登場!となりそうだが現実はまったく違ったようで、
「クラスの中では『いちいち波風立てるなよ、めんどくさいヤツだ』とハブられていました。当然、先生からも目をつけられて『出て行け!』と怒鳴られることも日常。私も私でわかりました、とさっさと出て行くような生意気な子供でしたが、そんな時にいつもそばにいてくれる唯一味方の女の子がいて、彼女は今でも親友です」。

セリーナさんは幼い頃から母親とのふたり暮らし。厳しく躾けられたが、先生にも物怖じせずぶつかっていくセリーナさんの態度は理解されず、母親とも対立。
「うちは母子家庭でしたが、母の実家が裕福でシングルマザーなのに専業主婦というちょっと変わった環境だったんです。もしも状況が違って、家の経済状況が大変でふたりに“貧困”という共通の敵がいれば、協力し合って歩み寄れたのかもしれません。残念ながら私たちはお互いが一番の敵という感じ。どうしても娘を理解できない母と、母の価値観を押し付けられることに耐えられない娘。お互いに1歩も引かず平行線でしたね。今では母とうまくやっていますが、それは大分と東京という1200キロの距離があるからこそ。私たちには必要な距離なんです」。

「絶対、地元に帰らない」。怒りの力が強い行動力に

クラスメイトの大半が進学校へ行く中、セリーナさんは別の高校へ。周りの影響もあり、高校に入ってからはあっという間にグレて家出を繰り返す。そして、この時に芽生えた“実家に帰りたくない”という気持ちは、その後の大きな原動力に。
「母から逃げたい思いと、小中学校で私をハブった人たちのいる大分に帰りたくないという強い気持ちは、今でも私の最大のエネルギー源。思い出すたびにふつふつと湧いてくる“怒りのパワー”でここまで進んできました。この気持ちは、どれだけ仕事で満足する結果が出せても決して消えることはなく、いつでも私を奮い立たせてくれます」。

そして20歳で上京。18歳で出産したセリーナさんは2歳の子供を抱え、「地元を離れたい!」一心で、シングルマザーとして銀座のクラブで働き始める。
「無我夢中でしたね。毎日子供を預かってくれる友達を探して、出勤していました。この時の経験があるから、何かを理由にトライしない人を見ていると、言い訳だと思ってしまいます。
『親が反対するからできない』、『お金がないからムリ』とか、関係ないですよ。やりたければやるのみ。やってみてから、どうにかする方法を考えればいいと思う。言い訳が先に立つ人は、本当はやりたくないんじゃないかな」。

とは言っても、やはり失敗したら嫌だし、それで傷つくのも怖いと思ってしまうのも本心。そんな時はどう考えたらいいのか?
「失敗ですか? 私、自分が失敗したなんて思ったことないんですよ。実はこれまでに3回離婚していますが、毎回の結婚で、選ぶ男性はステップアップしているし(笑)、失敗ではありません。知人に『あなたみたいに結婚に失敗したくない』と言われることもありますが、そんな人に限って、何年も状況が変わらないんですよね」とズバリ。

「ただ、仕事でもプライベートでも上手く行ってないなと感じることはあります。そういう時はね、だいたい人が離れていくの。でもそれは失敗ではなくて、これから新しい出会いがあるという兆候。新しいチャンスが来てるんだって思います。まさにそんなタイミングでの出会いから生まれたのが拙著『おじさん取扱説明書』です。皆が反対しても直感的に会おうと思ったら動きますし、私はアポイントを頂いたら、できる限りお断りせずにお会いするのが信条。どんな出会いがチャンスにつながるかわかりませんし、たとえチャンスでなくても、自分のネタストックになると思えばありがたいことです(笑)」。

“いい人”でいる必要なんてない

銀座ホステス時代に接した、多くの成功したおじさんたち。若い女性なら引いてしまいそうな彼らの強欲さを目の当たりにしても、セリーナさんは全く抵抗なかったと言う。
「父がいない家で育ったことも大きいでしょうね。理想の父親像がないから、すんなり受け入れられたのかもしれません。むしろ、彼らの目標に向かって突き進む力、それは仕事のプロジェクトでも女性を口説くのでも同じですが、ゴールのビジョンが見えているからこその動き方、途中の紆余曲折にもめげない鉄のメンタル、人を巻き込む力、意地でも達成する強引さ、すべてが学びの宝庫でした。ひょっとしたら、権力のあるおじさんの強欲さは、自分と似ているから許容できるのかもしれませんね」と笑う。

著書やMINEのコンテンツ『#️おじ説』でもおじさんのすごいところや困った時の対処法を伝えているセリーナさん。
「会社員生活を円滑に送りたいなら、おじさんをただ毛嫌いしてしまうのはもったいないと思うんです。だって、今の社会で組織に所属しながら、おじさんの存在を無視するのは不可能でしょう? 決定権のある男性の力を全く借りずに何かを成し遂げる道を模索するより、逆におじさんを利用するくらいの気持ちでいた方がラクだと思うんですよね。おじさん側の気持ちも痛いほど聞かされてきた立場として、女性とおじさんの橋渡し的なことができたらいいなと思っています。『#️おじ説』もそう。クスリと笑えて、以前よりおじさんのことをかわいいなと思ってもらえたら嬉しいですね」。

ホステスを辞め、ひとりで起業してからは文房具のプロデュースから著名人のキャスティング、音楽プロデュースまで幅広く手がけるセリーナさん。これまで大変だったことを聞いてみると、
「社長になって大変だったことなんてありませんね。それより鈴木セリーナとして生きていくこと、自分と付き合っていくことの方がよっぽど大変です(笑)。
私、自分のことを本当に嫌な人間だと思っているんです。傲慢で強欲で母性のかけらもない人間。でも、私と一緒にいると、相手が得するだろうとは思います。嫌な人間だけど利用価値があるということ。これは別にネガティブな意味で言ってるのではありませんよ、いい意味でね。だって、それが許されるのが“東京”だから。私が知っている田舎ではやはり“いい人”に価値が置かれるんですよ。嫌な部分は改善しろと言われて、いい人であることが大事とされるコミュニティ。私にはすごく窮屈でした。
東京でのビジネスは、自分にとって利になるその人の一部分だけ共有できればいい。その距離感が私には心地いいんです。嫌な部分も含めて丸ごと受け止めてくれる人は、ほんの数人いればいい。仕事の上では、利用価値のある人間でいたいと思いますね」。

「脱いい人」なんて、ちょっと言いにくいこともスパッと言い切るセリーナさん。今後やりたいことは?

「私が主宰しているウェブマガジン『Serenade Times』のなかにある『鈴木学院』というコンテンツがあるのですが、現在のウェブ上の展開から、今後リアルで開校できたら面白いと思っています。校歌も校訓も作ったんですよ(笑)」。

こちらは非学校法人・鈴木学院の公式サイト。

▶︎非学校法人・鈴木学院

鈴木学院指定ノートはサイト上で購入が可能。

「専攻学の中身は『別れ際の慰謝料の渡し方』や『戦闘学』など、社会をよりスムーズに生きていくために必要、かつ現実的なもので絶対に役立つはず。入学希望者たちに向けたプレセミナーができないかと考えています。
『#️おじ説』についてもまだまだ進展させていきたいと思っているのでよろしくお願いします!」

鈴木セリーナさん監修のミニドラマ「#おじ説」はこちらをcheck!

PROFILE:鈴木セリーナ

大分県出身。 幼少期から英才教育を受けお嬢様として育つ。16歳の頃、親への反発心からドロップアウト。年齢を隠して、地元クラブのホステスとなる。 20歳の頃、「銀座のクラブのママになりたい」と夢見て上京。銀座高級クラブ『F』で働く。その後、銀座老舗クラブ『江川』に引き抜かれ、売上ナンバーワンに。 銀座ホステスを辞めてからは、主に文房具を扱う企画会社とタレントのマネジメント会社取締役会長に就任。ビジネスの世界でも成功を収める。ウェブマガジン『Serenade Times』主宰。

▶︎Serenade Times

▶︎鈴木セリーナさんのInstagramはこちら!

Photographer:Ryosuke Kawaguchi Writer:Noriko Oba Editor:Maiko Mizusawa(MINE)

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